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やまぐち花産地
 豊かな自然にはぐくまれた山口の花の産地と花職人をご紹介します。


地図

【場所】山口市阿東町嘉年
【面積】40アール
【作目】キク
【年間出荷量】9万本

 今回は、山口県の北海道とも呼ばれる準高冷地、阿東町にやってきました。訪れたのは、夏の風物詩となっているユニークな催し「かかし祭り」で有名な嘉年地区。冷涼な山間の気候を活かして、夫婦二人三脚で小ギクや輪ギクの栽培に取り組む三浦啓示さん、幸枝さん夫妻にお話を聞きました。

 ●減反農地をキク畑に
 三浦さん夫妻がキクの栽培を始めたのは今から30年ほど前のこと。米の減反政策で空いた農地を遊ばせていてはいけないと、稲作や親の介護の傍ら休耕田にキクを育て、少しずつ作付面積を増やしてきました。
 平成元年ごろにキクの栽培を本格化させました。現在は、露地栽培を中心にハウスも活用しています。

 ●気候条件を活かした良質なキク生産
 嘉年産のキクは、需要の大きい盆と彼岸をピークに、7月下旬から10月中旬にかけて出荷されます。冬季には積雪もある寒い地域なので、霜が降りる時期は生産を休まざるを得ません。そのため、嘉年では限られた期間しかキクを栽培しませんが、その分夏場の涼しい気候が良質のキクを育て、嘉年産のキクは花色も日持ちも良いと高い評価を得ています。
 ●嘉年のキクは女性が主役
 畑にお邪魔すると、幸枝さんと娘さんが何やら黙々と作業をしていました。余分な芽や蕾を取り除く「芽かぎ」です。葉の脇から次々に出てくる芽を一つひとつ摘み取っていくこの手作業は、手間がかかってとにかく大変。忙しい時には近所の女性たちにも手伝ってもらいます。
 「仕立てにしても芽かぎにしても、キクは手先を使った作業が多いからほとんどが女性の仕事。嘉年の女性グループで情報交換しながら、互いに助け合ってキクを育てています」と幸枝さん。
 土づくりや杭打ちなどの力仕事は啓示さんの役目。夫婦の役割分担で無理のない栽培を心がけています。
 ●何年やっても奥が深い
 そんな三浦さん夫妻が目指すのは、どこに出しても恥ずかしくないキクをつくることと、嘉年産キクのブランド化。品質の向上と安定を図ることが課題です。
 「涼しいおかげで病気に悩まされることはないけど、害虫の駆除には本当に苦労します。年によって気候や気象条件も違うし、毎年必ず何かが起きてね。なかなか思うようにはいかないですよ」と話しながらも、「でも大変な分、やりがいがあります(笑)」と啓示さんは言います。
 高齢化が深刻な嘉年地域のキク栽培農家にあっては、三浦さん夫妻は若い方。目標に向かってまだまだこれからです。
●健康も楽しみも、キクのおかげ
 何年か前までは、キクの出荷を終えると夫婦そろって旅行するのが楽しみだったそうですが、今は互いの健康を守ることが楽しみになっているとか。体を動かす労働もさることながら、年をとっても欠かせない仕事があることが、元気の一番の秘訣になっている様子です。
 「キクの花がきれいに咲いた時、また収穫の喜びは格別!だからやめられないんです」と話す三浦さん夫妻。嘉年の大地でのびのびと育った健康なキクに、お二人の姿が重なって見えるひとときでした。

山口県花き振興協議会 事務局
〒742-0033 山口県柳井市新庄500-1 山口県花き振興センター内
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